ガンコ汚れを諦めていませんか?
まだ間に合うキッチンシンクの掃除方法
このコンテンツでわかること
- キッチンシンクにつく汚れの種類と原因
- ガンコ汚れを防ぐための日々のお手入れ方法
- 油汚れ、水あか、ぬめり汚れの効果的な掃除方法
- 汚れに合わせた洗剤の選び方と使い方
- ステンレス、ホーロー、人工大理石別の掃除の注意点
こんな方におすすめ
- キッチンシンクの頑固な汚れに悩んでいる方
- こすっても落ちない白いウロコ状の水あかが気になる方
- 排水口のぬめりや臭いを解決したい方
- シンクの素材に合った正しい掃除方法を知りたい方
- 環境に優しいナチュラル洗剤での掃除に興味がある方
目次
- 1章 キッチンシンクにつく汚れの種類と原因
- 2章 ガンコ汚れを防ぐためのお手入れ方法
- 3章 種類によって変わるガンコ汚れの掃除方法
- 4章 キッチンシンクの掃除に適した市販の洗浄剤
- 5章 キッチンシンク掃除の注意点
- まとめ
1章 キッチンシンクにつく汚れの種類と原因
キッチンシンクには、調理で使う油や調味料、後片づけで使う洗剤など、さまざまなものが流されます。マメに掃除をしていても落としきれないものが少しずつ付着し、汚れが汚れを呼んで白色や黒色のよく見るガンコ汚れになっていきます。
掃除の基本は、まず汚れの正体を知ること。キッチンシンクにつきやすい汚れの種類と原因を理解するところから始めましょう。
油汚れ
キッチンシンクを汚すものの代表的なもののひとつが、調理で使用したり食材から出たりする油脂です。付着してもすぐに中性洗剤で掃除すれば簡単に落とせます。ただ、油は粘性があって流れにくいので、さっと水で流す程度では洗ったつもりでも隅に残りやすいもの。付着したものを放置しておくと食事のたびに油が溜まり、やがて酸化が進んで黒い汚れとなって固着します。
水あか
キッチンシンクの側面や縁、水栓まわりなどにできる白いウロコ状の汚れが水あかです。水に含まれるケイ素やカルシウムなどのミネラル分は、水が蒸発した後も消えずにその場に残ります。キッチンシンクでは、水は同じような場所に残りやすいので、こびりついた水あかが層を作るように溜まって、こすっても簡単に落とせないガンコ汚れになります。
ぬめり汚れ
排水口やスポンジトレーなど、洗いにくくて掃除を先延ばししがちで常に濡れている場所には、ヌルヌルした黒茶色の汚れが発生します。こうしたぬめり汚れの正体は、食べカスなどから出た栄養成分や油脂などをエサに繁殖した雑菌です。排水口などは、内カゴに溜まったゴミを片づけるタイミングで掃除していれば汚れは悪化しませんが、長期間放っておくとヘドロ化して悪臭を放つようになります。とくに雑菌の繁殖スピードが早くなる夏は注意が必要です。
サビ
キッチンシンクはステンレスやホーロー、人工大理石などの錆びにくい材質を採用しているので、そのものからサビが発生することはほとんどありません。ただ、錆びやすい鉄製の鍋やフライパン、鉄の包丁、ブリキの空き缶などを濡れたまま置いておくと、鉄から発生したサビがキッチンシンクの表面に移ります。これを「もらいサビ」といいます。
2章 ガンコ汚れを防ぐためのお手入れ方法
キッチンシンクをきれいに保つ秘訣もほかの掃除と同じ。日々の汚れを残さないこと、溜めないことです。一日一回でよいので、夕食の片づけの流れでキッチンシンクを掃除することを習慣にしましょう。食器用とは別にシンク用のスポンジを用意しておき、台所用洗剤(中性洗剤)をつけて全体を洗うだけで十分です。最後に水を流してよくすすぎ、乾いた布で乾拭きしてフィニッシュです。
上の章で説明したように水滴や溜まり水は水あかの原因になります。シンクを使った後はいつも乾拭きをして乾いた状態をキープしておくのが理想的です。最初は面倒に感じるかもしれませんが、試しに3日間続けてみてください。いつでもピカピカのシンクに向かって気持ちよく過ごせるようになると、少しの手間なんて苦にならなくなりますよ。
3章 種類によって変わるガンコ汚れの掃除方法
汚れの性質と洗剤の選び方
キッチンシンクで手強いのは、固着した油脂や水あかのガンコ汚れ。中性洗剤をつけたスポンジをこすっても、ほとんど落とすことができません。これらのガンコ汚れは洗剤で溶解しながら掃除するのがセオリーです。上表のように汚れにはそれぞれ酸性、アルカリ性の性質があるので、反対の性質を持つ洗剤を使って溶解します。
酸性の油汚れにはアルカリ性の重曹やセスキ炭酸水、アルカリ性の水あかには酸性のクエン酸が対応します。いわゆる「ナチュラル洗剤」と呼ばれるものは、環境への影響が少なく、効き目がマイルドで安心して使えるので、用意しておくと便利です。
汚れに合わせた掃除方法
【油汚れ】
台所用洗剤で落とせない固着した油汚れには、重曹やセスキ炭酸ソーダを使用します。
重曹はアルカリ性洗剤であると同時に研磨作用もあるので、キッチンシンクの掃除では大活躍します。
重曹は粉末を汚れに振りかけるほか、ペースト状にして漬け置きもできます。重曹ペーストは、重曹と水を2:1の割合で混ぜて作ります。
汚れた部分に重曹ペーストを塗って、スポンジで軽くこすり洗いをします。手荒れを防ぐために必ずゴム手袋を着用しましょう。
スポンジで落としきれない汚れには、食品ラップを丸めたラップたわしを試してみるとよいでしょう。
スポンジのように研磨粒子が穴のなかに入り込まないので、こすり洗いの威力がアップします。
キッチンシンクにこびりついていた油汚れをきれいに落とすことができました。汚れが残ったように見えているのは素材の変色によるものです。
【水あか】
水栓の接続部やキッチンシンクの縁は、マメに拭き上げていないと水あかがつきやすい場所。ウロコ状になった汚れはとてもガンコです。
水あかの掃除には酸性洗剤のクエン酸を使います。食器洗い機やポットの水あか落とし、浴室掃除など、水回りで活躍するナチュラル洗剤です。
水100mlに対してクエン酸小さじ1/2の割合で混ぜ合わせて、薄いクエン酸水を作ります。
水あかがついている場所にクエン酸水をスプレーし、5分くらい放置します。
スポンジでこすって水あかを落とします。スポンジで洗いにくい水栓の接続部は、使い終えた歯ブラシなどを使って掃除しましょう。その後、汚れやクエン酸を残さないようによく水洗いしてください。
クエン酸水をスプレーしただけでは落とせない汚れ、クエン酸水が流れ落ちてしまうシンク側面の汚れは、ペーパータオルを利用してクエン酸パックをします。30分くらい放置した後でこすり洗いをして水で流しましょう。
水栓まわりの水あかが落ちてスッキリ! 1度の掃除できれいにならない場合は、クエン酸掃除を繰り返して少しずつ水あかを落としていきましょう。
※クエン酸は水あかを一時的に溶解しますが、長時間放置しておくと変化してかえって取りにくい状態になる可能性があります。掃除の最後にはよく水で流すように注意しましょう。臭いが気になりますが、クエン酸の代わりにお酢を使うとその心配はありません。
【ぬめり汚れ】
流れ残った油脂や繁殖した雑菌であるぬめり汚れには、お湯や過炭酸ナトリウムを使う掃除方法があります。
お湯を使う場合は、排水管を傷めない50度程度のお湯をバケツなどに用意して一気に流します。すると汚れに含まれる油が熱でやわらかくなり、はがれやすくなります。一部は水の勢いで流れますし、残ったものはブラシで落としやすくなっています。
過炭酸ナトリウムは、重曹やセスキ炭酸ソーダよりも強いアルカリ性で、漂白作用と殺菌作用をあわせ持つナチュラル洗剤です。身近なところでは酸素系漂白剤の主成分として配合されていますが、単独でアルカリ性洗剤として使うこともできます。
過炭酸ナトリウムを使う場合は、直接パウダーを排水口にふりかけてから、50度程度のお湯をかけて発泡させます(酸素の泡なので体に影響はありません)。30分ほど放っておくと溶解と発泡の効果でぬめり汚れがはがれやすくなるので、水でよく洗い流しましょう。落としきれない汚れはブラシでこすります。
過炭酸ナトリウムはアルカリ性が強いため、皮膚に触れると荒れやすいのがデメリットです。必ずゴム手袋を着用するなど取り扱いに注意しましょう。
4章 キッチンシンクの掃除に適した市販の洗浄剤
市販の洗浄剤は汚れ落としの能力が高く、しかも手軽に使えるように工夫されています。ナチュラル洗剤は使うのが面倒と感じる方は、汚れに対応した市販の洗浄剤を利用して、気になったときにサッと掃除できるようにしておくのがおすすめです。
水あか落としと除菌
お酢と同じ成分の酢酸にフマル酸を加えて洗浄効果をアップした水回り用の洗浄剤です。クエン酸と同じように水あかの掃除に使えるほか、ぬめり汚れの除菌や防臭にも効果を発揮します。
【使い方】
ぬめり汚れが目立つようになった排水口にまんべんなくスプレーします。
洗浄剤は泡タイプなので、簡単に流れないでしばらく汚れのうえにとどまります。
ブラシでこすって水で流すと軽いぬめり汚れなら簡単に落とすことができます。除菌する場合はスプレー後1分放置、防臭する場合は一晩放置してから水で洗い流せばOKです。
ステンレス磨き
油汚れ、サビ、くもりなど汚れの種類に関係なくキッチンシンクの表面に付着したガンコ汚れを磨いて落とす、ステンレス専用のクレンザーです。ステンレスを傷つけない硬さの研磨材を配合していますが、表面にツヤのある加工がされたステンレスシンクなどには適していません。
スポンジややわらかい布にクレンザーをつけ、目立たないところでキズがつかないことを確認してから汚れた部分を磨きます。ステンレスシンクを掃除するときは、ステンレスの目に沿って一定方向に磨くのがムラを作らないコツです。
5章 キッチンシンク掃除の注意点
ステンレスシンクの場合
ステンレスは塩素に弱い素材です。薄めた液を流す程度なら問題ありませんが、ぬめり取りなどに使う塩素系漂白剤がステンレス部分にかかった場合などは速やかに拭き取っておきます。また、塩やしょう油に含まれる塩分もサビの原因になるので、こぼしたらすぐに拭き取るように日ごろから注意しておきましょう。
ステンレスのキッチンシンクには一方向に筋目があります。目に逆らってこすったり、一部に集中してこすったりすると筋目を乱して美しさを損ないます。スポンジなどを使って掃除する場合は、目に沿って全体を均等にこすりましょう。
ホーローシンクの場合
鉄やアルミなどの金属にガラス質のうわ薬を焼き付けたホーローは、表面のコーティングを傷つけないようにお手入れするのが長くきれいに保つポイント。硬いタワシやブラシ、焦げ落とし用スポンジなどの使用を避け、やわらかいスポンジでやさしく洗うのが基本です。クレンザーやメラミンスポンジなども同様にホーローの掃除に適しません。
また、「酸性」や「アルカリ性」の表示がある洗剤は、洗浄力が強すぎて表面を傷める可能性があります。掃除する際には重曹やクエン酸などのナチュラル洗剤か、「中性」「弱酸性」「弱アルカリ性」の表示がある洗剤を選びましょう。
人工大理石シンクの場合
人工大理石は、ポリエステルやアクリルなどの樹脂を固めた非常にキズがつきやすい素材です。間違った方法で掃除をすると当初のツヤが消えたり、汚れが付着しやすくなります。やわらかいスポンジと中性洗剤を使ってマメに掃除し、できるだけ油汚れや水あかなどのガンコ汚れがつかないお手入れを続けましょう。
酸性洗剤やアルカリ性洗剤を使うと表面が傷んでザラつきが残り、研磨効果の高い洗剤やスポンジも小キズをつけます。キッチンシンクが新しいうちはデリケートに扱うのがツヤを保つポイントです。年数が経ってツヤが消えていても、大きいキズや深いキズをつけないように注意することで、汚れの付着を抑えることができます。
まとめ
ここでは新しいキッチンシンクであることを前提に、できるだけ素材を傷めずに汚れを落とし、美しさを保てる掃除方法を解説しました。読んでいただいておわかりのとおり、汚れを残さない日々の掃除がお手入れのベースです。その次のステップとして汚れのガンコ度に合わせて、ナチュラル洗剤、研磨材入りや専用の洗剤の順に試すことをおすすめします。すでにキズや傷みを気にしないキッチンシンクであれば、ステップを飛ばして洗浄力の高い洗剤や用品を使っても問題ないでしょう。
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