コーキング材とは?

コーキング剤とは?その種類や種類ごとの用途・使い方


目次
1章:コーキング剤とは?
2章:コーキング剤が使われている箇所
3章:シーリング材との違い
4章:コーキング剤の種類
5章:コーキングの仕上げ方
6章:コーキングを仕上げる際の注意点
まとめ


コーキングをする場合にコーキング剤(コーキング材)が使われるケースがあります。しかし、用途に合ったものを選ばないと完成度が低くなってしまいます。ここではコーキング剤をうまく使うコツや注意点などをご紹介します。

1章:コーキング剤とは?

建築現場などで使われる材料のこと

建築現場などで気密性・防水性を保持するためや、施工場所の隙間を埋めるための可塑剤としてコーキング剤は使われます。乾燥すると白いゴムのような形状になり、お風呂場のタイルの継ぎ目などをきれいに仕上げる上で欠かせません。
コーキング剤は使用した後に剥がすことも可能です。しかし、適切な道具を使わずに力任せに行うとコーキング剤をきれいに剥がせません。もし、コーキング剤を剥がすのであれば、専用のカッターナイフやリムーバー、へらなどを使いましょう。効率よく作業が進められる上、現場をむやみに傷つけなくて済みます。

2章:コーキング剤が使われている箇所

お風呂場などの水回りで使われています

コーキング剤はお風呂のタイル同士を繋いだり、シンクと壁の隙間を埋めたりする時に使われます。外壁同士を繋ぐような時や外壁塗装時にも使われますが、この場合は緩衝材としての役割を担い、地震などが発生した時に外壁にかかる負荷を減らしてくれます。
ところで、洗面所やお風呂場などのコーキングが黒く変色していた時にDIYで新たにコーキングを施そうとする人がいます。しかし、コーキング剤にはさまざまな種類があるため、用途に適したものを選ばないと思ったように仕上がりません。各商品の特徴を押さえることで完成度を高めることができるので、コーキング剤を購入する時は商品の説明書きにしっかりと目を通しましょう。

3章:シーリング材との違い

コーキングとシーリングはほぼ同義で使われます

皆さんはシーリング(シーリング工事)と言う言葉を聞いたことがありますか?これはコーキングとほとんど同じ意味を持ちます。どちらも戸建住宅工事現場などで使われる単語なので、覚えておきましょう。

4章:コーキング剤の種類

各コーキング剤の特徴を押さえましょう

コーキング剤にはさまざまな種類があります。耐久性の高いタイプ、安価なものなど、それぞれの希望に合わせて選ぶことをオススメします。

〈 シリコンコーク(シリコーンコーク) 〉
ガラス、アルミサッシ、バスルームなどのタイルの繋ぎ・補修などに使われます。コーキング剤の中で良く使われているタイプです。安価なこともあり、市場に広く流通しています。耐久性が期待できる他、熱や水にも強いため使用できる範囲は広めです。硬化後は収縮せず、弾力性も感じられます。
デメリットとしてはシリコンコークを使ってコーキングをした後、その上に塗装してもなかなか塗料が付着しない点です。カビに強いタイプ、寒さに強いタイプなど、商品ごとにさまざまな特徴があります。カラーバリエーションも豊富なところも魅力です。
〈 変成(変性)シリコン 〉
バスルームやトイレなど、水回りのシールなどに使われます。変成シリコンのメリットは、先ほどのシリコンコークとは異なり使用後に上からも塗装ができることです。色使いも豊富で、耐久性もある程度期待できます。しかし、他のコーキング剤に比べて値段が高い点がネックです。密着性・耐久性も劣るためその点は注意が必要です。使用用途としてはコンクリートのひび割れ修理や鉄板などを繋ぐ時に使われます。屋内・屋外それぞれで活用されます。
〈 ウレタンコーク 〉
耐久性が高いコーキング剤です。ひび割れや目地の修理に利用されますが、固まった後もある程度の弾力性を保ってくれます。外壁の塗り替え時に良く使われ、上に塗料を塗れるのがメリットです。価格も比較的安いという特徴がありますが、紫外線に弱いため屋外や日差しにさらされる場所に使うのは向いていません。ガラス周辺などは他のコーキング剤を使うようにすることをオススメします。
このタイプのコーキング剤にはノンブリードタイプもあります。ノンブリードとは、配合成分が表面に滲み出ないタイプのことです。塗膜を溶かしたり、コーキング剤特有のべたつきで汚れを発生させたりしないため、塗装を目的とした施工現場で重宝されています。もし、塗装を前提とした工事などを考えているなら、このタイプを使ってみましょう。
〈 アクリルコーク 〉
このタイプのコーキング剤は、水に強いという特徴があります。そのため、シンクやお風呂場などの湿度の高い場所の利用に適しています。しかし、固まった時に収縮し、細くなってしまうのが難点です。モルタルやコンクリートのひび割れ補填、タイルやALCパネル目地などの繋ぎに使われますが、リフォームなどではあまり使われません。
〈 ポリサルファイド 〉
このコーキング剤はほこりなどが付着しにくい特徴があります。汚染性が低いタイプや、耐油性を有したタイプもあります。しかし、柔軟性は期待できないため、頻繁に稼働する金属などを繋ぐ場合は適しません。匂いも強く、塗料を上から塗ることで変色等のトラブルを起こしてしまうことがあります。その点にも注意しましょう。

コーキング剤には油性に強いタイプもあります。このタイプは金属の可動部分や釘を打ちつけた部分などへの利用が適しています。また、耐薬品性、耐寒性、電気絶縁性の優れたタイプも販売されているので、パッケージなどを参考にそれぞれの商品を見比べて選んでみましょう。

5章:コーキングの仕上げ方

コーキングのポイントについて簡単にご説明します

コーキング剤は使い方をきちんとマスターしておかないと、うまく活用できません。ここではコーキングの時に必要な道具や仕上げのポイントなどを簡単にご説明します。

〈 コーキングガンを用意しましょう 〉
コーキングをする時は、コーキングガンを使うことをオススメします。カートリッジの装填部が回転するタイプなら、コーキングをする時の方向転換が楽になります。液だれの少ないタイプ、軽量型タイプなどがあるので、予算と相談しながら適したものを選んでください。
コーキング剤をしっかり付着させたいならば、プライマーの利用をオススメします。密着性を向上させられれば緩衝材としての役割が高まり、耐久性を付与できます。
〈 マスキングテープもお忘れなく 〉
タイルの継ぎ目やひび割れの間からコーキング剤がはみ出てしまうと完成度が低くなります。そうした不具合をなくすために使って欲しいのがマスキングテープです。この時使うマスキングテープはある程度幅があるものを使いましょう。細すぎると余計な箇所にコーキング剤が付着してしまうことがあるので、注意してください。
〈 へらでコーキング剤を慣らしましょう 〉
コーキングが完了したら、専用のへらでコーキング剤を平らにします。この作業はコーキングをする時に特に気をつけて欲しいポイントです。仕上がりの美しさを左右する重要な工程ですが、コーキング初心者にはなかなか難しい作業かもしれません。できるだけゆっくり、丁寧に作業を進めていくようにしましょう。
〈 コーキングはタイプごとに使い方を考えましょう 〉
コーキング使用前に、それぞれの特徴を押さえることが大切です。サイディング目地への充填が可能なタイプ、上から塗料を塗れるタイプ、水に強いタイプなど、使用場所によって使い分けるようにしてください。

6章:コーキングを仕上げる際の注意点

コーキング剤の使い方を失敗しないためには?

コーキングをする上で注意して欲しいポイントがいくつかあります。仕上がりをきれいにするためにも、以下の点は特に気をつけてください。

〈 コーキング剤がうまく接着しない時の対処法 〉
コーキング剤が固まるまでには、少し時間がかかります。場合によっては数日間、様子を見てみましょう。使用前に付着箇所をしっかり掃除しておくと、コーキング剤がきちんと接着し、作業がスムーズに進みます。
また、コーキング剤は温度や湿度、その時の天候などで作業の出来不出来が左右されることもあります。 屋根瓦にコーキングをした時に、雨漏りが発生するケースもあります。大掛かりな作業を必要とする場合や、自力でうまくできない場合は専門業者に頼むなど柔軟に対応していきましょう。
〈 作業後の注意点 〉
コーキングガンでコーキング作業が終わったら、コーキング剤を必ず外すようにしてください。そのままにするとコーキング剤は出てきて固まってしまいます。

まとめ
コーキング剤は普段、私たちが暮らしているさまざまな場所で見かけることができます。タイルとコーキング剤を使えば、バスルームやシンクなどをDIYでおしゃれにすることもできます。今回ご紹介した各コーキング剤の特徴や塗装の際の注意点を参考にして、DIYを施してみるのも面白いかもしれません。