キッチン換気扇の頑固汚れを落とす

洗剤選びと効果的な掃除方法

キッチン換気扇の掃除

換気扇はキッチンまわりではもっとも汚れが付着しやすい場所。大掃除などで久しぶりに中をのぞくと、汚れの激しさに辟易とします。しかし、せっかく掃除をするのなら、このタイミングを逃さないで徹底的にきれいにしたいものです。この記事では、拭き掃除では歯が立たない換気扇の頑固な汚れを落とすための効果的な洗剤や掃除方法を紹介します。

このコンテンツでわかること

  • 油汚れに最適な洗剤の選び方
  • つけ置き洗いの効果的な方法
  • 換気扇部品の正しい分解手順
  • スチームクリーナーの活用法
  • 頑固な汚れを根本から落とすコツ

こんな方におすすめ

  • 大掃除を効率よく進めたい
  • 換気扇の油汚れやほこりに悩んでいる
  • 市販洗剤で落ちない汚れがある
  • 換気扇の掃除テクニックを知りたい
  • 時間をかけて徹底的に掃除したい

キッチン換気扇に効果的なお手入れ方法

キッチンの換気扇やレンジフードの汚れは、主に調理時に発生した油です。付着してもすぐに拭き取るなどすれば掃除は簡単ですが、放っておくと油とホコリが積み重なって頑固な汚れになってしまいます。年末の大掃除など年に1、2回のお手入れの場合は、この油汚れ対策がメインです。油汚れに強い洗剤や洗浄方法を使って、少しでも楽にお掃除したいですね。

油汚れに強い洗剤の種類は?

キッチンまわりの洗剤は、液性(pH値)によって「アルカリ性」「中性」「酸性」の3タイプに分かれます。このなかで油汚れに有効なのがアルカリ性洗剤です。油汚れがこびりついた換気扇・レンジフードの掃除をする際は、容器に「油汚れを落とす」「レンジ・換気扇用」と書かれているアルカリ性洗剤を選びましょう。

また、エコ洗剤として掃除、洗濯などにマルチに利用されている重曹やセスキ炭酸ソーダもアルカリ性洗剤の一種なので、換気扇まわりの掃除に利用できます。

ただし、フィルターやファンがアルミ素材の場合は要注意です。アルカリ性洗剤はアルミを腐食させる恐れがあるので、目立たない場所でテストしてから判断するか、キッチン洗剤などの中性洗剤を使うようにしましょう。

固まった油汚れはつけ置きでゆるくする

頑固な汚れを落とすには「時間」も重要な要素です。付着したばかりの汚れなら洗剤をつけてこするだけで落とすことができますが、固着しているとそう簡単ではありません。汚れが層になっているような場合、洗剤が油汚れをゆるめるまでに一定の時間がかかります。洗剤を塗布して放置したり、つけ置きしたりして、洗剤がしっかりと反応する時間をおくことで、汚れを落としやすくなります。

油汚れは温度が高いほど柔らかくなりますから、洗浄液をお湯で作ってつけ置きすると、洗剤と温度の相乗効果でより汚れを落としやすくなります。

たまの換気扇掃除は内部まで徹底的に!

キッチンの換気扇は、プロペラ型のファンにかわって円筒形のシロッコファンを採用したレンジフードタイプが主流です。このタイプはファンの手前にフィルターがあるため内側の汚れに気づきにくく、肝心のファン周辺の掃除を怠りがち。ひんぱんにお手入れできない場所なので、大掃除などのタイミングでは部品を取り外して内側にこびりついた油汚れまで徹底的に落としましょう。

用意するもの

油汚れ用洗剤、キッチン用中性洗剤、歯ブラシ、スポンジ、ビニール袋(30~40L)、おそうじクロス、キッチンペーパー、ゴム手袋、養生用シート(または新聞紙)、踏み台

換気扇掃除の手順

  1. 周辺を養生する

    掃除しているときに汚れや洗剤がガスレンジに落ちることがあります。作業を始める前にビニールシートや新聞を敷いてガスレンジを養生し、汚れ防止をしておきましょう。

    養生作業の様子
  2. 内側の部品を取り外す

    安全のため電源コードを抜いてから、分解できる部品をすべて取り外します。今回は深型レンジフードでのお掃除手順をご紹介。レンジフードには浅型タイプもあり、また製品によって少しずつ仕様が異なる場合があるので、詳しい部品の取り外し方は取扱説明書やメーカーのホームページで確認しましょう。

    フィルターを取り外したら、ネジをゆるめてリング状のファンカバーを取り外します。シロッコファン本体は中心の大きなネジで固定されています。このネジは通常のネジと逆方向の「時計回り」でゆるみます。落ちないように片手でファンを押さえながら、ネジをゆるめてはずしましょう。

    ファンカバーの取り外し ファンカバーの取り外し 換気扇部品の取り外し 換気扇部品の取り外し 部品を取り外した様子
  3. フィルターを掃除する

    フィルターなどの大きい部品は、広げたビニールシートの上に置いて油汚れ用洗剤をスプレーします。長時間放置しておくと、金属や塗装を傷めることがあるため注意しましょう。

    ※アルミ素材のフィルターには中性洗剤を使ってください。

    5分ほどたったら、スポンジを使ってフィルターについた洗剤と汚れを洗い流します。スポンジが入らないスリット部分は歯ブラシを使ってこすりましょう。塗装がはがれる可能性があるので、強くこすったりしないでください。

    フィルターの掃除 洗い流す様子
  4. はずした部品をつけ置きする

    ファン、ファンカバー、ネジ類はつけ置きします。2枚重ねにしたビニール袋に部品を入れましょう。小さいネジ類は、なくさないように水切りネットなどにまとめてから入れます。

    45℃前後のお湯を部品がすべて浸かるように入れ、キッチン用中性洗剤を加えてお湯によく溶かします。ビニール袋の口を結んで部品が洗浄液によく浸かるようにし、そのまま2時間程度つけ置きします。

    お湯の熱と洗剤の分解力で汚れがゆるくなったら、スポンジを使って全体の汚れを洗い落とします。フィンの奥などスポンジが届かない部分は歯ブラシを使ってこすりましょう。

    部品のつけ置き洗い 部品のつけ置き洗い 部品のつけ置き洗い
  5. はずせない部分を掃除する

    取り外すことができない部品は、油汚れ用洗剤か重曹水(水100mlに重曹小さじ1杯の比率で溶かしたもの)を使って掃除します。洗剤を直接スプレーすると汚れが垂れてくるので、スポンジに噴き付けて拭くようにしてください。一通り拭き終えたら絞った雑巾で水拭きし、乾拭きをしておきましょう。

    換気扇本体の掃除 換気扇本体の掃除
  6. 部品を取り付ける

    部品は水気をよく拭き取り、十分に乾いてから、外したときと逆の手順で取り付けて換気扇をもとに戻します。スイッチを入れて正常に作動することを確認したら掃除は完了です。

3章 スチームクリーナーを使って掃除する

スチームクリーナーは、高温の蒸気を汚れに当てて、熱と水分で汚れをゆるめる洗浄器具です。キッチンの油汚れなど温めると落ちやすい汚れに効果的で、洗剤を使わずに除去することができます。ここでは家庭用スチームクリーナーの使い方を紹介しましょう。

スチームクリーナーの使い方

スチームクリーナーの準備

電源スイッチがOFF、噴射ボタンがロックされている状態で、本体が冷めていることを確認してから上部の安全バルブを取り外して、ボイラータンクに容量以内の水を入れます。給水口に安全バルブを取り付けたら、電源スイッチを押してボイラーの加熱を開始します。使用機種の加熱時間が過ぎたら布などに向けてスチームを噴出してみて、安定していたら作業可能です。

スチームクリーナーの準備

レンジフードの掃除方法

レンジフードなどの平らな面を掃除するときは、ブラシに付属のマイクロファイバーカバーを取り付けて使用します。掃除する場所に先端を当て、スチームを噴出して汚れを浮かせながらマイクロファイバーで拭き取りをします。

レンジフードのスチーム掃除 レンジフードのスチーム掃除

フィルター奥の掃除方法

フィルターの奥など狭い場所を掃除する場合は、ブラシをはずして先端にタオルなどを巻き付けて使用します。掃除する対象箇所に向けてスチームを噴出して、柔らかくなった油汚れをタオルで拭き取ります。

フィルター奥の掃除 フィルター奥の掃除

取り外した部品の掃除方法

取り外した部品のスチーム掃除

フィルターやファンは油汚れが溜まりやすい場所です。スチームを噴出してブラシでこすりながら汚れを落としましょう。ブラシが届かないところはスチームで汚れを浮かしてから歯ブラシなどでこすり、スチームだけで落としきれない場合は洗剤やつけ置き洗いも行ってください。キッチンシンクや浴室など、汚れが飛んでも問題ない場所で作業しましょう。

まとめ

換気扇にこびりついた油汚れはとても頑固です。通常の拭き掃除で落とせないときは、力任せに汚れと格闘するのではなく、ここで紹介したアルカリ性洗剤やつけ置き、スチームクリーナーなどの方法を試してください。汚れ方が激しくて一度で落としきれない場合には、繰り返して根気強く掃除してみましょう。