鍋の種類比較! おいしい料理は道具選びから始めましょう

私たちが毎日元気に過ごすために欠かせない食事。適した調理器具を選ぶことで、より美味しい料理が作れます。鍋はさまざまな料理に使われていますが、素材や形状などは鍋の種類によって異なります。それぞれの特長を押さえることが、より良い鍋を購入するポイントです。ここでは一般的な鍋の種類や用途、長く使うために試して欲しいお手入れ方法などをご紹介します。


目次
1章:一般的な鍋の種類
2章:料理の種類で考える鍋の選び方
3章:鍋のお手入れの方法は?
まとめ


1章:一般的な鍋の種類

まずは素材や形状などを押さえましょう

ひとくちに鍋といってもその種類はさまざまです。お店で良く売れている人気の商品が、自分に合っているとは限りません。購入をする前に各素材の特長や鍋の形状などを覚えておくことで、より適したものを選べます。

素材別に見た鍋の特長について

《 アルミ製の鍋 》
アルミ鍋はその軽さが特長です。野菜を茹でたり、炒めたりした後に簡単に持ち運べるので便利です。さらに錆びつきにくく頑丈であるため、それらもメリットとして挙げられます。
熱伝導率が良いのも特長で、お湯を沸かすときにも重宝します。野菜を軽く蒸したり、ゆで卵を作ったりするときにもオススメなので、短い調理時間で火を通したいときは役立ちます。
しかし、デメリットもあります。それは、酸・アルカリに弱いということです。ですので、調理が終わったら中の具材はすぐお皿に移す、こまめにクレンザーなどでキレイにするなどの工夫をしましょう。こうすることでアルミ製の鍋は、より長く使えるようになります。
《 ステンレス製の鍋 》
ステンレス製の鍋はサビに強く、頑丈です。サビに強いということはそれだけ美しさを保ちやすく、使用を続けてもきれいな状態が続きます。メリットが色々とあるステンレス製の鍋ですが、欠点もあります。それは、熱伝導率が悪いという点です。
熱伝導率が悪いということは、鍋全体が温かくなるのが遅い、ということです。しかし最近では、ステンレスとアルミニウムを何層にも重ねた多層構造の鍋が販売されるようになりました。これにより、熱しやすく冷めにくい構造が実現され、保温性のあるステンレス製の鍋が市場に出回るようになりました。
このように、鍋も時代とともに日々、進化を続けています。もし、ステンレス製の鍋は熱伝導率が悪いからと敬遠していた人がいたならば、思い切って多層構造の鍋を探してみましょう。思った以上に使い勝手が良くて、驚いてしまうかもしれません。
《 ホーロー鍋 》
ホーローとは、漢字で琺瑯(ほうろう)と書きます。保温性が高いため、料理の熱を逃がしません。ホーロー鍋は各メーカーからさまざまなものが売られていますが、エナメルコーティングされたものは耐久性がさらにプラスされています。色使いも鮮やかで、キッチンの彩りを増したいときにもピッタリと言えるでしょう。なかにはフタから蒸気を逃す工夫を施しているものもあり、素材の味を損なう原因となる雑味を逃してくれます。この機能がプラスされているものを選べば、より美味しい料理を提供できるはずです。
ホーロー製の鍋は重く、衝撃があると割れやすいというデメリットがありました。ところが、最近は各メーカーが開発を重ね、以前より軽いもの、衝撃に強いものも販売されるようになっています。ホーロー鍋には他の鍋には無い魅力があります。気になった方はぜひチェックしてみましょう。
《 耐熱ガラス鍋 》
皆さんは耐熱ガラス鍋をご存知でしょうか? その名の通り、熱に強いガラスで作られた鍋です。残った料理をこれに入れて冷蔵庫に保存し、そのまま火にかけられるタイプもあるので便利です。
さらに、電子レンジで使えるところもポイントです。ガラス製なので外から中の様子が分かりやすく、色が変わったり、錆びついたりすることを防げます。しかし、ガラス製なので扱いには十分注意してください。特に子供がまだ小さい場合は、手の届かないところに保管しておく必要があります。
鍋ではありませんが、最近ではシリコンスチーマーを使って手軽に料理を作る人も出てきました。野菜やパスタなどを容器に入れ、電子レンジで温めるだけで良いので手間がかかりません。普段、忙しくてコンビニ弁当で済ませている人でも、献立次第で栄養バランスの良いものが作れます。食べることは、毎日の活力を生み出すことに繋がります。健康に注意したいなら、こうしたグッズを使って手軽に料理をすることから始めてみましょう。
《 土鍋 》
皆さんは、土鍋と聞いて何を思い出しますか? おそらく鍋料理を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? 土鍋は保温性に優れ、長時間煮込む場合にはとても役立ちます。余熱を利用することで出汁が食材に染み込みやすくなり、風味を意識した料理を作りたい人にはオススメです。
土鍋は自然土が使われているケースもあり、デザインが他の鍋と異なることが多くあります。そして、バリエーションも豊富です。一度、調理台で温めた後にリビングへ運び、そのまま皆で料理を味わえるのも魅力でしょう。しかし、ヒビが入らないように丁寧に扱う必要があります。その点は注意しましょう。
キムチ鍋、豆乳鍋など、ひとくちに鍋料理と言ってもさまざまな種類があります。野菜やお肉などの具材を切り、市販されている出汁やスープを使えば時短で料理ができる点も魅力です。今はたくさんのレシピ本も出ているので、気になった方はそちらも探してみましょう。

鍋の形状にも色々ある!

ホームセンターなどで鍋コーナーに足を運ぶと、片手鍋と両手鍋の2種類があります。それぞれの良さについて簡単に説明すると、以下のようになります。

● 片手鍋・・・
片手で持ち運びができるため、手軽に扱えます。炒め物などで具材の偏りを無くすとき、振ったり持ち上げたりしやすい点もポイントです。量の多くないものを作るときに便利です。
● 両手鍋・・・
カレーやシチューなど、じっくりと煮込み料理を作りたい場合にオススメです。作る分量が多い場合にも重宝します。鍋料理の場合は、両手鍋が便利です。

鍋は、実際に手に取ることで使いやすさが分かります。大きさや重さなどは人によって感じ方が違うため、特に注意が必要です。片手鍋、両手鍋、それぞれのメリットを押さえつつ、ライフスタイルに合ったものを選びましょう。

IH対応・非対応かも確認しましょう

IHとは、induction heatingの略です。内部に設置されたコイルが発熱することで加熱されますが、最近ではこれを使った調理器具が売られるようになりました。

もし、台所に使われているガステーブルにIHが施されている場合、鍋がそれに対応しているか確認しておく必要があります。底の形状や、素材によって、使えるものとそうでないものがあります。

《 IHに向いている素材は? 》

まずは鍋にSGマークがついているかを確認しましょう。これは一般財団法人の製品安全協会が定めたもので、このマークがある鍋は異常加熱が起きにくく、調理をするときにもしっかり熱を通せます。逆に、土鍋やセラミックス製の鍋(陶磁器)、耐熱ガラス製の鍋はIHタイプには不向きです。鉄やステンレス製の鍋は使用できますが、一部ステンレス製のものは加熱がしにくいものもあります。底の形状が平らであるか、トッププレートに密着しているかなども確認し、適したものを見つけるようにしましょう。

《 鍋の大きさにも注目して 》

IH向きの鍋を選ぶ場合は、その大きさにも注意しましょう。鍋底の直径が12~26cmのものがオススメです。ただし、ヒーターの位置が3口の場合は、後方に1口ヒーターがついているのが普通です。その場合、後方用の鍋は26cmまででなく、鍋底の直径が18cmまでのものを選ぶようにしましょう。サイズが大きいと前方の鍋とぶつかり、しっかりと鍋を温められなくなります。

2章:料理の種類で考える鍋の選び方

鍋選びでメニューがより豊かに!

すき焼きにしたいか、キムチ鍋にしたいか、あるいは揚げ物用の鍋を揃えたいかでオススメの鍋は違います。機能性やデザインを重視して鍋を選んでも良いですが、作りたいメニューによって購入する鍋を選ぶ方法もアリです。

鍋料理にオススメ

鍋料理をする場合は土鍋をオススメします。一人用の土鍋から大人数に対応できるものまでバリエーションが豊富な上、デザインも洋風なものが出ています。部屋の雰囲気に合わせて選ぶのも、土鍋選びのポイントです。

すき焼きや寄せ鍋、もつ鍋などの他、湯豆腐やしゃぶしゃぶ、みぞれ鍋など、鍋料理にはさまざまな種類があります。日本各地には、その地方特有の鍋料理があります。きりたんぽ鍋、石狩鍋、あんこう鍋、味噌煮込みうどんなど、挙げるときりがありません。この他にもポトフ、キムチチゲなど、時には海外発祥の鍋料理も土鍋で作られるようになりました。また、鍋は出汁を使うことでぐんと美味しさが増すことがあります。時間がある人は試してみましょう。

お米も炊けるタイプの鍋は?

先ほどご紹介した土鍋でもお米が炊けますが、それ以外では圧力鍋が使えます。圧力鍋とは、蒸気を逃さないようにして具材を加熱調理する器具のことです。圧力をかけることで内部の温度を高め、さほど時間がかからず調理ができます。調理時間が短縮されるということは、光熱費を抑えることにも繋がります。また、加熱をやめても温度が残りやすいため、より食材に熱を通すことが可能です。

お米を炊くだけでなく、豚の角煮や肉じゃが、プリン作りなどにも使えます。カレーやシチュー、ポトフなど、対応できるメニューが豊富なのも特長です。火を使わず、電気を使うタイプも人気があります。調理機能が充実しているタイプなら、スイッチ一つでさまざまなメニューに対応できます。ボタンを押すことでフタを外せるプッシュ式と、スライドさせてフタを外すスライド式などがあります。こちらはお好みで、使い勝手の良い方を選びましょう。

土鍋や圧力鍋以外にお米を炊く場合、万能鍋が使えます。万能鍋はお米を炊くだけでなく、煮る、焼く、挙げる、蒸すなどもできるため、さまざまなシーンで利用可能です。ガスやIH、どちらにも使えるタイプもあるので、キッチンの仕様にこだわらずに使いたいなら探してみましょう。

揚げ物にも使えるフライパン

天ぷら鍋以外にも、フライパンで揚げ物をしている人が増えてきました。ある程度の大きさがあり、食材同士がくっつきにくいため揚げ物には便利です。少量の油でサクサクの揚げ物ができる点もメリットとして挙げられます。

揚げ物用のフライパンは安全性を考えた場合、厚みがあり、底が深いものを選びましょう。素材については銅だと熱伝導率が良く、大量に揚げ物をするときに適しています。同じ油を何度も使って揚げ物をしたいなら、鉄製のフライパンを選びましょう。ステンレスやアルミ製のフライパンは軽くて扱いやすいメリットがあります。それぞれの特長を押さえながら、お好みのものを選んでください。

煮込み料理が作れる鍋

先ほどご紹介した圧力鍋は、煮込み料理にも適しています。それ以外で煮込み料理にオススメなのは雪平鍋(行平鍋)です。片手で扱えるので、手軽にお皿に料理を移し替えることができます。

雪平鍋には、アルミ素材が良く使われています。アルミ製の鍋を洗うときは、傷つかないようタワシではなくスポンジを利用しましょう。変色もしやすいため、その点にも気をつけてください。

アルミ製以外の雪平鍋だと、ステンレス製のものがあります。さらに熱伝導率が良いものを選びたいなら、多層構造の雪平鍋を選んでください。

ところで、雪平鍋はみそ汁を作るときにも使われます。左右に注ぎ口がついているものが多く、汁を注ぐときに便利です。良くみそ汁を作るご家庭は、一度購入を検討してみてはいかがでしょうか?

焼肉・ステーキが作れる鍋は?

焼肉やステーキなどを作りたいなら、グリル鍋を使ってみましょう。これは電気を利用して加熱する鍋のことです。IH対応のものや、サイズ、色、デザインなどが異なるものなどが販売されています。揚げたり蒸したりできる汎用性のあるタイプもあるので、色々な料理を試してみたい方にはオススメです。

もちろん、フライパンでもステーキなどの調理が可能です。下準備や火の入れ方などにこだわれば、さらに美味しく仕上がります。より味わい深い一品を作りたいなら、調理器具以外にもこだわってみましょう。

3章:鍋のお手入れの方法は?

それぞれの素材に合ったお手入れをしましょう

鍋を長く使うには、それなりの手入れをしなくてはなりません。特に注意して欲しいのが、料理が冷めるとその汁や塩分などで錆びつきやすくなる点です。そのため、調理が終わったらすぐに器に移しておくようにしてください。

また、鍋の素材によっては傷つきやすいものもあります。そうした鍋はタワシなどでゴシゴシ擦らず、スポンジを利用してください。保管場所にも注意して、通気性が良いところに移しましょう。しばらく利用しない場合は、湿度の低い場所に保管しておくことをオススメします。

洗い方や保管方法だけでなく、鍋は素材や形状などでお手入れの方法が異なります。例えばフライパンは、使う前に食用油を入れて3分ほど中火で温めると油が良く馴染むようになります。他にも、それぞれの鍋に適したさまざまなお手入れ方法があります。購入した鍋の素材や形状に合わせ、長持ちするよう工夫してみましょう。

まとめ
素材や大きさなど、鍋選びのポイントはいくつもあります。自分の適した商品を見つけるコツは、ホームセンターなどへ足を運び、実物を手にすることです。重さや扱いやすさなどがすぐに分かるため、調理中のイメージもわきやすくなります。中には出汁を取るのに適した鍋も売られています。食卓をより豊かに、楽しくしたいなら、まずは鍋選びから始めてみましょう。