のこぎりはどう選ぶ?用途別の種類と特徴

木工をするときに、1本は持っていたいのが手道具ののこぎりです。主に電動工具を使う方やホームセンターの加工サービスを利用する方でも、材料の端をちょっと切り落としたい場合、静かに作業したい場合などに便利です。のこぎりには木材用に限らず、素材や作業内容ごとにさまざまな種類があります。ここでは代表的なのこぎりの種類と特徴を見てみましょう。

のこぎりでできることは?

のこぎりは鋸刃(のこば)がついた鋼板を前後に動かして、素材を削り取りながら切断する工具です。素材に適した刃がついているものを選べば、さまざまな素材や厚いものまで切断することができます。

木材のほか、竹、金属、プラスチックなどは、素材ごとに専用ののこぎりが用意されています。また、一本でさまざまな素材を切ることができる万能のこぎりもあります。DIYであれば、木工などの工作はもちろん、住まいの補修やリフォーム、粗大ゴミの解体など、さまざまなシーンで出番があります。

木工用のこぎりを選ぶときの基礎知識

◆ 横びき刃と縦びき刃

木工用ののこぎりの刃には、横びき用と縦びき用があります。木目に対して直角に、繊維を断ち切るように切断するときには横びき用を、木目と平行に繊維を削るように切断するときには縦びき用を使います。木目に対して斜めに切るときは、横びき用で兼用します。

◆ 両刃タイプと片刃タイプ

以前は木工用のこぎりといえば、横びき・縦びき両方の刃がついた両刃タイプが一般的でしたが、最近は1種類の刃がついた片刃タイプが主流です。木工では横びきで使うことがほとんどなので、片刃タイプなら横引き用か、縦、横、斜めに切断できる万能の刃がついたものを選びましょう。

◆ 替え刃タイプ

切れ味が悪くなった刃を交換できる替え刃タイプが便利です。同じメーカーのものなら、違う種類の刃を取りつけることもでき、家庭用としておすすめです。メーカーによって方法は異なりますが、人気の「ゼットソー」は柄を叩くだけで、工具を使わずに刃を脱着できます。

◆ 木工用のこぎりのおすすめ

木工用のこぎりには、刃長、板厚、歯のピッチなどの違う多くの種類がラインナップされています。1×4材や2×4材で家具や雑貨をつくるには、刃長240~270mm程度で、八寸目といわれるピッチ1.7mmのものが、切断面もきれいで使いやすいです。小屋の柱などにする太い角材を切るときには、それよりも刃長が長く、歯のピッチが大きいもののほうが、切断面は多少荒くなりますが作業効率があがります。

あると便利な木工用のこぎりと補助具

◆ 細工用のこぎり

刃が薄く、ピッチ1.0mmと細かいため、薄い板材、細い棒材などをきれいに切断するのに適します。刃の背に補強をつけていて、導突のこぎりとも呼ばれます。

◆ 糸のこ

手で曲線を切ったり、くり抜いたりする加工に使います。刃を交換すると、合板やプラスチック、金属を切断することができます。

◆ ダボ切りのこ

一般的なのこぎりのように、歯の先端が両側に開いたアサリがないため、刃の側面を押しつけて動かしても、木材の表面に傷がつきません。ネジ頭を隠すダボ埋め処理のときに使います。

◆ のこぎりガイド

のこぎりを使ってまっすぐに切るのはかんたんではありませんが、切断用の補助具を使えば、初心者でもきれいな加工ができます。

付属する専用のこぎりの刃をセットし、ガイドを木材に固定すると、木材に対して水平90度、45度の切断が、ぶれずにきれいにできます。

2×4材用のシンプルなガイドボックスです。水平の90度、45度、22.5度と、斜め45度の切断ができます。

さまざまな素材に適したのこぎり

◆ 金属用

金属板や鉄パイプなどのほか、プラスチックも切ることができます。この製品はアルミや銅、真ちゅうにも対応しています。

◆ レンガ、ブロック用

タガネで割るよりも、レンガやブロックをきれいに切断することができます。作業に時間はかかりますが、インテリア用に使いたいときなどに重宝します。

◆ 粗大ごみ解体用

木材、集成材、合板、プラスチック、カーペット、鉄、ステンレスなど、さまざまな材質の粗大ゴミを切断して処分できます。

まとめ
組立家具などはドライバー一本で作業できますが、DIYで作品づくりやリフォームに挑戦する際には「切る」作業を避けて通ることはできません。素材や作業内容にあったのこぎりをそろえながら、あとは「習うより慣れよ」の気持ちで上達を目指しましょう。