小さくても雰囲気よし。
無垢板で作る引き出しミニチェスト

DIYやクラフトを趣味にしていると、いつの間にか細かい道具やパーツが増えてしまうもの。 日ごろからそれらの整理ができていないと、使いたいときに見つからなかったり、同じものをダブって買ってしまうなんて困ったことになってしまいます。 そうした小物を整理するのに便利なのが、小さい引き出しがたくさんついたチェストです。 自分で作れば引き出しの大きさと数を自由に決められるので、それぞれの事情に合う小物収納を手に入れることができますよ。

作るもの

今回は木目がきれいなヒノキの無垢材を使って、どんなインテリアにもマッチしやすい素朴な雰囲気に仕上げることにしました。 小物用なので、引き出しはシンプルな差し込みタイプとしています。 全体がシンプルなぶん、引き出しのツマミによって表情は変わります。 素材やデザインにこだわって、お好みにアレンジするのもよいですよ。

材料

外枠

  • ・ヒノキ 12×100×280mm 2枚
  • ・ヒノキ 12×100×238mm 2枚

仕切り

  • ・ヒノキ 12×100×238mm 1枚
  • ・ヒノキ 12×100×256mm 2枚

引き出し枠

  • ・ヒノキ 9×70×120mm 2枚
  • ・ヒノキ 9×70×82mm 2枚

引き出し底板

  • ・ヒノキ 9×90×900mm 1枚

作り方

SECTION.1 外枠の組み立て

外枠は、木材をロの字型に組みた立てて作ります。 木材の角をぴったり合わせて固定するのは簡単そうに見えて難しく、ネジを締める瞬間にちょっとずれてしまったりするものです。 仕上がりにこだわるのなら、コーナークランプを併用するか、2枚の木材をL字に固定できるジグを作って作業しましょう。

厚さ12mmの薄い木材の端にネジを打つときは、割れを防ぐために先に下穴をあけておくのがセオリーです。 このとき一緒に皿取りをしておくと、さらに材料が割れにくくなり、ネジの頭もきれいに収まりますよ。

SECTION.2 仕切りの加工と固定

仕切りは、ネジやクギを使わずに木材を直角に接合する相欠き接ぎという技法を使って組みます。 『相欠き』という文字のとおり、木材の接合する部分をお互いに切り欠くのがこの技法の特徴です。 手順としては、最初に板の厚みと同じ幅で半分の深さの線を引いておき、その両側の線に沿ってノコギリで切り込みを入れるところからスタートします。 切り欠きが大きくなると組んだときにゆるくなってしまうので、線からはずれないように切り込みを入れるのがポイントです。

写真のように2枚の木材をマスキングテープでしっかり固定すれば、まとめて加工することもできます。

残った一辺はノミを使って切り落とします。 相手の木材が入らない場合は、ノミで内側を削って調整しましょう。 きついくらいに調整できるとベストですが、少しゆるくてもOKですよ。
横向きに入れる仕切りはセンターに1箇所、縦向きに入れる仕切りは高さに合わせて2箇所に切り欠きを加工します。
3枚の仕切りを組んで外枠に入れ、外側からネジどめして固定します。 仕切りがきつくて入りにくい場合は、端材をあてて金づちで少しずつ叩いてみてください。

SECTION.3 引き出しの組み立て

小物用の引き出しは重いものを入れることがないので、接着剤と隠しクギを使って組み立てます。 木工用接着剤を塗った木材を貼り合わせたら、隠しクギを打って固定。 15分ほど待って接着剤が硬化したら、隠しクギの上部を横から金づちで打って折りましょう。

隠しクギはピンクの部分から上側を折り取ってしまうので、クギの頭が残りません。 そのため一般的なクギや木ネジを使う場合に比べてすっきり仕上がります(小さい穴は残ります)。 あまり強度が求められない場所に用途が限られますが、表面をきれいに仕上げたいときの固定方法として覚えておくとよいでしょう。

引き出しの底板は、組み立てた引き出しの内寸を測ってカットした木材を、同じように木工用接着剤と隠しクギで固定します。

参考に…

隠しクギと同様に使えるものとしては、ピンネイル(ピン釘)というタイプもあります。 ピンネイルは、一見すると針のような頭のないクギを、ピンネイラーという専用の工具を使って打ち込みます。 主にプロが住宅の内装工事で巾木や化粧板を取り付ける作業で使うことが多く、隠しクギに比べると格段に作業効率が高まるので、目立たないクギをたくさん打つ作業にとても便利です。
最後に前板のセンターにツマミを取り付けます。 今回は2種類の木材を貼り合わせて作った棒材をカットして使いました。 角材や丸棒をカットしたものや、市販のツマミを取り付けるのもOKです。 引き出しの顔を決めるパーツなので、自分のイメージに合うものを選んで仕上げてください。

完成!

引き出しをセットしてミニチェストの完成です。 この後は木肌をいかして明るい色のオイルフィニッシュでナチュラルに仕上げるプランですが、暗めのエボニーやダークウォルナットで塗ればアンティーク調に仕上げることもできます。 アンティーク調にする場合には、黒いアイアンのツマミか取っ手が似合いそうです。

この作品を作るのに必要な材料

使用した主な木材

  • ヒノキ:12×100×280mm 2枚
  • ヒノキ:12×100×256mm 2枚
  • ヒノキ:12×100×238mm 3枚
  • ヒノキ:9×70×120mm 2枚
  • ヒノキ:9×70×82mm 2枚
  • ヒノキ:9×90×900mm 1枚

その他の材料

  • 木工用接着剤
  • ビス
  • 隠しクギ

材料は以下からご購入いただけます。