家のメンテナンス、家具づくりや趣味のクラフト、DIYをはじめると、塗装が必要になる場面が多々あります。ところが、いざ塗料を買おうとすると、あまりに種類が多く、どれを選べばいいのか途方にくれてしまいます。そこで今回は、家庭で塗装をしたいときの塗料の選び方を、わかりやすく解説します。

塗料のおもな分類

塗料は大まかに油性塗料と水性塗料にわけることができます。油性と水性の違いは、その中に混ぜ合わせている液体(溶剤)によります。油性塗料はシンナーなどの揮発性有機溶剤が多く使われ、水性塗料は水が使われています。水性塗料といっても、一度乾くと水に溶けることはなく、水回りや屋外でも使えます。

●水性塗料・特徴
においが少なく、保管が簡単です。手や刷毛についた塗料は水で洗って落とすことができます。

・おもな用途
屋内で使う木製品の塗装、屋内壁、床、家具などの塗替えなど。

●油性塗料・特徴
耐久性に優れ、塗料の密着力が高いので、屋外の塗装に適しています。有機溶剤特有のにおいがある、乾燥時間が比較的長い、希釈や道具の洗浄には専用うすめ液を使う必要があるなど、扱いに注意が必要です。

・おもな用途
屋外で使用する木製品の塗装、ウッドデッキの塗替え、屋外の壁、金属、コンクリートなどの塗替え。

塗料購入時の注意

塗料の容器には、塗装できる素材、塗り面積、乾燥時間、希釈や洗浄に使う液の種類(水かうすめ液か)などの大切な情報が記されています。ご自分の用途や条件に適しているか、確認して選ぶようにしてください。

屋内用塗料の種類

においが少ない水性塗料が一般的です。壁紙の上から塗れるもの、フローリング用、浴室などに適した防菌・防カビ効果に優れたものなどがあります。

●室内用多用途塗装壁、ビニールクロス、天井や木部全般を塗ることができます。色数も多く、手軽にインテリアの塗替えを楽しめます。

●和室壁用和室に使われる砂壁や繊維壁の塗替えに適しています。

●床用ニス木の床やフローリングの表面に塗膜をつくって、床材を保護します。

●ステイン塗料表面に塗膜をつくらず、透明性に優れる塗料です。家具の塗り替え、自作の棚などの塗装で、木の風合いをいかしたい場合に最適です。

●木部用ワックス木材の色や木目をいかした半透明の塗膜をつくり、アンティーク調に仕上がる特徴があります。布などですり込むようにして塗ります。

●ウレタンニス木部の保護塗料であるニスのなかでもより硬い塗膜をつくるため、家具などの実用品の塗装に適しています。ステイン塗料やワックスで塗装したうえに塗る保護剤としても使えます。

屋外用塗料の種類

耐候性や耐水性などが高く、風雨や日差しにさらされても劣化しにくく、素材をよく保護します。木材用には、防虫・防腐効果を高めるものもあります。

●屋外多用途鉄部、木部、モルタル、コンクリートなど、多くの素材に塗ることができます。一般的に色数が多く、ガーデン小物や屋外家具、エクステリアまで便利に使えます。

●木部用保護塗料木部の防虫、防腐、防カビ、防藻などの効果に優れ、木材に浸透して腐食を防ぎます。ウッドデッキや小屋、板塀、戸袋などの塗装に適しています。

●鉄部用さびの発生を防ぎ、門扉やフェンスなどの屋外鉄部を保護します。

●コンクリート床用耐摩耗性に優れ、コンクリート表面を保護します。駐車場や事務所や倉庫などの床塗装に適しています。

特殊な塗料

●自然系塗料体への安全性や環境に配慮した塗料です。屋内外問わず、また木製玩具まで使える製品もあります。

●風合い塗料吹きつけることで木材、鉄、ガラス、プラスチックなどの素材を、マット調、メッキ調、石調など、独得の風合いに仕上げることができます。

●黒板塗料塗るだけで、木部、ビニールクロス、石膏ボード、段ボールなどを黒板にできる塗料です。家族の連絡板やお子さんのお絵かきスペース、デコレーションなど、アイデアしだいで用途はさまざまに広がります。

まとめ

塗料にはたくさんの種類があり、色も豊富です。塗装をすることで色あせたものはよみがえらせることができ、色を塗り替えれば印象をガラリと変えることができます。最初は小さな家具などから始めてみて、いずれはリフォーム感覚でドアや壁まで。お気に入りの塗料をみつけて、塗装を楽しんでください。