剪定ばさみはどれを選べばいい?用途別の種類と手入れの方法

庭木の不要な枝を落とし、高さをおさえながら美しい樹形を保つ。また、古くなった枝を切り戻し、新しい枝を育てて樹を若返らせるなど、剪定には大切な役割があります。植物を傷めないように、そして気持ちよく作業するために大切なのが、作業に適した剪定ばさみを使うことです。庭の手入れの必需品である剪定ばさみの代表的な種類と特徴を紹介しましょう。

剪定ばさみとは

剪定ばさみは、植物の枝や茎、葉など、生木を切るための園芸用のハサミです。園芸には太めの枝を切ったり、混み合ったところの小枝をすかしたり、刈り込みをしたりするほか、摘芯、花がらとり、収穫など、さまざまな「切る」作業があります。剪定ばさみには、それぞれの作業がしやすいように考えられたものがあり、切りやすく、疲れにくい工夫がされています。植物の種類やご自身の園芸のレベルにあわせて、万能なタイプを使いまわしたり、作業ごとに使いわけたりするとよいでしょう。

剪定ばさみの種類

◆ 剪定ばさみ

直径15mmくらいの枝まで切ることができるハサミで、枝を切る必要がある場合は、まずそろえておきたい一本です。庭木や花木、果樹などの剪定作業を主としますが、刃先を利用して芽切りをしたり、あるていどの細かい作業までできる万能なタイプです。

◆ ラチェット式剪定ばさみ

テコの原理を応用し、小さい力をより大きい力に変えるラチェット機構をそなえています。切っている途中で重くなったときにゆるめると、支点が変わって力をかけなおし、通常の1/3くらいの力で枝を切ることができます。ハンディサイズでも、直径20mmていどの枝まで対応します。

◆ 植木ばさみ

小回りがきくように刃の先がとがっているので小回りがきき、盆栽や細かい枝の手入れに使いやすいハサミです。バネがなく刃を軽く動かすことができるので、長時間使って疲れにくいのも特徴です。切れるのは直径10mmくらいまでの細い枝です。

◆ 切り花用はさみ

生花などに使う切り花や細い枝を切りそろえたり、観葉植物を剪定するような室内園芸向きのハサミです。ハンドルも刃も厚めで、力を入れやすくできています。

◆ 芽切りばさみ

やわらかい芽や茎を切るときに使います。枝葉の混んだところでも扱いやすいように、刃先が細く、ハンドルは握り込めるほどコンパクトです。

◆ 太枝ばさみ

ラチェット機構を持ち、直径40mmまでの枝を切ることができる両手ばさみです。ハンドルは伸縮し、少し高いところの枝まで剪定できます。

◆ 刈り込みばさみ

柄に対して刃が少し上を向き、生け垣や仕立てもの、コニファーなどの広い面を刈り込むときに使います。

剪定ばさみの選び方

剪定ばさみや植木ばさみは、たいていサイズの種類があります。できるだけ手になじむ大きさで、軽めのものを選びましょう。女性なら長さ180mm以下、男性なら200mmか220mmが一般的です。剪定ばさみのように刃が開くようにバネがついているものは、バネが強すぎないかも確認しましょう。

長持ちさせる手入れ方法

気持ちよく安全に作業するため、長く使い続けるためには、日ごろの手入れが大切です。剪定ばさみは使ったままにしておくと、ヤニが固着したりサビが出たりして、切れ味が落ちてしまいます。使ったあとは必ずクリーニングをし、刃の表面やハンドルの動きをよい状態に保つようにしてください。

◆ クリーニングをする

剪定に使ったあとは、刃の汚れや水分を布でよくふき取り、刃物用の潤滑剤をなじませておきます。刃物クリーナーを吹きかけると、ヤニなどの汚れを楽に落とせます。

◆ 刃を研ぐ

いよいよ切れ味が落ちてきたと感じたら、刃を研いで回復させます。砥石での刃研ぎに自身がない場合は、手軽に使えるシャープナーの利用をおすすめします。

まとめ
作業に適していない剪定ばさみは、ときには残しておきたい枝や芽を傷つけてしまうことがあります。また、切れ味の悪い刃で切られた木は、切り口が修復しにくく枯れ込むことがあります。せっかく植物が健全に育つように剪定するのですから、大切な道具である剪定ばさみは、正しく使ってあげたいものです。