高い戸棚へのものの出し入れ、天井照明のそうじや電球交換など、高いところの作業をするために、一台あると便利なのが脚立です。アルミ製などで軽いため、使いたい場所へ楽らく持ち運べますし、安心して作業に集中できる安定のよさは、さすが専用の道具です。では、どんな脚立を選ぶのがよいでしょうか……。購入時の参考にできるよう、サイズの選び方や種類ごとの特徴を見ていくことにしましょう。
サイズの選び方
脚立を使って安全に作業するためには、おもな用途にあわせて、適したサイズを選ぶことが大切です。大きすぎれば作業場所にうまく設置できなかったり、途中の段で不自由な作業を強いられます。逆に小さすぎると、ずっと上向きで作業することになり、疲れるばかりか、バランスを崩しやすく危険です。ジャストサイズの脚立は、上から2段目に立ったときに、頭の位置が作業か所と同じになる高さです。使う人の身長によりますが、「作業する高さより130cm低いもの」を目安にしてください。
例えば、高さ240cmの天井を作業するためには、高さ110cmの脚立が適していることになります。
おもな脚立の種類と特徴
●踏み台天板の高さが80cm未満で、安全に乗れる広さの天板があるものを、脚立と区別して「踏み台」と呼びます。簡単に脚を開いて設置でき、収納性も高いものが多く、屋内での日常的な使用に向いています。脚立と違って天板に乗って作業できるので、「天板+身長」が作業高さになります。
●ステップ踏み台のなかでも一般家庭用につくられたものは、「ステップ」と呼ばれたりします。踏みざんや天板がより幅広になっていたり、薄くたためて収納性を高めていたりします。
●脚立サイズが豊富にあり、作業高さに適したものを選べます。軽量で持ち運びがしやすく、しかも安定性を高めるさまざまな工夫が見られます。
●上枠つき踏み台天板の上に上枠が伸びた踏み台です。天板に乗った状態で、上枠で体を支えることができるため、安定して作業できます。上枠上部に道具などを置けるトレーがついているものもあります。
●足場台天板の幅の範囲で移動しながら、効率よく作業ができます。洗車や壁の塗装などに適しています。
脚立用アイテム
●交換用脚ゴム脚ゴムがすり減ったり、傷んだりしていると、グリップが低下して滑りやすくなります。放置しないで早めに交換しましょう。
●脚カバーひとつの脚立を屋内と屋外で使いたいとき、フローリングに傷をつけたくないときに、脚にかぶせて床を保護します。
安全に使うための注意
●脚を確実にロックする脚立を設置するときは開き止めを確実にセットし、踏み台では脚が止まるまで開いて、脚がずれないことを確認してから作業する高さまでのぼります。
●天板に乗らない脚立では天板に乗ってはいけません。上から2段目の踏みざんに乗り、体を脚立に当てて安定した状態で作業しましょう。
●脚立の幅の範囲で作業する脚立の幅を超えて体を乗り出して作業すると、バランスを崩しやすく危険です。脚立を設置しなおして作業してください。
まとめ
一般のご家庭であれば、戸棚からの出し入れなどの用途が多い日常的な使用には、踏み台があると便利でしょう。そして庭木のせん定や雨どいの掃除など、ときどき行う高所作業には脚立を。足場となる道具を適材適所で使いわけることで、高いところの作業を快適かつ安全にすることができます。収納性や機能性などを比べながら、ご自宅に最適の脚立を見つけてください。
※安全のため、2m以上の高さにのぼるときはヘルメットを着用してください。